ずっと、会いたかった。
故郷を離れ、
慣れない地で暮らすことになった。
言葉が分からないことも、伝わらないこともあった。
知らない人たちの中で、不安になったこともあった。
住まいを移して何年経っただろう…
故郷の言葉を話しても伝わる。
時々思い出の郷土料理が食卓に並び、
毎日食べたい好物が口にできる。
好きなものに囲まれて、暮らしてる。
招くと「すてきね」ってみんなに言われる自慢の部屋がある。
共に暮らす仲間がいて、「仲良くしよう」というと「そうね」とほほ笑む友達がいる。
行きたいところがあると出かけたり、見たいものがあれば見に行ける。
ここは自分のことをわかってくれるみんながいて、
心配してくれたり
助けてくれたり
冗談を言って笑ったり
頼られたり
感謝される。
ここはおもしろい所だ。
私の宝物。
ずっと探していた。
風呂敷に包んで
故郷から背負ってきた思い出。
もう2度と会えないのかと思っていたのに、
今日、
やっと会えた。
今日からもっと
ここが面白い所になる。
※たくさんの思い出が詰まった宝物が、数年越しにご本人の手に渡りました。
今までご本人の話からヒントを探し続けた職員、
ご協力いただいたご親戚の皆様、
そして何より
諦めずに伝え続け、受け取りに行ったご本人。
みんなの思いが一つになったのだと思っています。
恩田