寒い日はタラ汁、その３　みかんも人間も傷ものが愛おしい。

では、2階のみんなも食べましょう。

熱々タラ汁は、

目の前で盛り付け。

「嫌いな人参、抜けときますよ～」

「ありがと～」

「おらんとこ、目ん玉入ってた」

「背骨が入ったな」

そんなことを話しながら食べました。

すると、

「わたしのみかん、小さいから甘くないかもしれない。」

と。

え？そんなぁ～。じゃぁ、自分で選んでみましょうよ。

となりまして…

もう一度みんなのお膳に乗っていたみかんをこの袋に戻し

みかん選び（すっぱさは、自己責任ですよぉ）！

「んー。　私はこの傷ものにするわ。

人間と一緒でさ、傷ものは愛おしいでしょ。

きっと甘いわよ。」

……

深い。

深すぎる。

みかんも人間も同じだなんて。

「器量が悪い方が、中身がいいに決まってる！」

ほぉそこまで言うか。

「わたしも傷ものが愛おしい！

食べる前に、可愛がって揉むわ！」

なるほどね。

勿体なくて、食べられませんね。

「おらは、なんでもうんめ。」

こういう方がいるから、社会は平和なのだろうか。

「やっぱり　一番おっきいのにする！」

「おっきいのだっけ、甘いわ！」

信じる者は、救われる。

…とまぁ、とっても楽しい食事の時間でした。

恩田