グループホームゆたか 終末期対応から得た経験
こんにちは、グループホームゆたかです。
この度、グループホームゆたかでは看取り対応を行わせていただきました。
今年の4月に入居されたお客様でしたが、先日6月28日に90年の人生を全うされました。
お客様としては、4月に入居されてから、特にお体の調子は問題なく、お元気に過ごされていました。
6月7日、お客様、職員と共に「木下大サーカス」へ外出行事を行った翌日、ご家族様と共に受診した際に「肝臓癌であり、治療はもうすでに、できない状態、余命としては短くて1~2週間程度」と余命告知をされました。
ご家族様も、初めての事であり、今後の事を大変心配されていらっしゃいました。
ご家族様としての意向は「できる限りグループホームでみてもらいたい」とのことでした。
人は生まれてスタートして、長短はありますが必ずゴールを迎えます。
私たちの仕事はゴールまでの残り時間が短いお客様と関わることが必然です。
私たちは、人生のゴールに向かうお客様、ご家族様の為に「何ができるだろう」と
倫理、死生観を学び「看取り」に対する「経験したことのない漠然とした不安」を
メンバー各々が表出し、共有を行い、「意向に沿える支援」を行うために心をまとめ行動しました。
「治療(キュア)」がもうできないお客様に対して「介護(ケア)」で「快」と
感じてもらうために、スタッフそれぞれがお客様の為にアイディアを出し、
実施してきましたが、介護の力でどうにもできないこともあります。医療のフォローです。
医療のフォローに関しては提携している往診医の「すぎうら内科医院」様と連携し、
日々のフォローに関しては「すずらん訪問看護ステーション」様に協力依頼を行い
連携を図らせていただきました。
6月17日
段々と、食も細くなってきました。
「家に行きたい」というご本人の希望があり、ご家族様も「少しでも家に居られる時間を作ってあげたい」という希望がありました。職員はご本人様、ご家族様の希望に応えるべく、
ご自宅までの送迎と、家で困った時のフォロー体制を敷き、お客様がご自宅で過ごせる時間を支援させていただきました。
その日は10:30~16:30まで住み慣れたご自宅で過ごす事ができ、お客様も大変喜ばれておりました。
それからも、ご家族様は、毎日ご本人様に会いにきてくださいました。
徐々に、起きていることも難儀となり、ベッド上で過ごす事も多くなってきました。
その間、お部屋で過ごす時間が長くなってきたことからお部屋で「快」と感じてもらうために嗅覚への刺激としてアロマ、聴覚への刺激として音楽、ラジオ など様々考え対応を
行わさせていただきました。
6月28日、7時に急変され、すぐにご家族様、すずらん訪問看護ステーション様、
すぎうら内科医院様に連絡しました。
9時5分お客様は90年の長い人生を全うされ、この世を去られました。
翌日、今回の件を職員で振り返り、共有を行いました。
ある若い職員がこう話しました
「もう少し、自分に介護技術があれば、安楽に対応ができたのではないか。
目先の仕事を優先していたけれど、もっとお客様と関わることができたのではないか
もっとしてあげられたことが、あったのではないか」
この言葉が出てきたのは「お客様の人生のゴールに触れた経験、ご家族様の思いに寄り添った経験」をしたからこその言葉であると感じています。
この心からの言葉が、現在利用されているお客様、これから私たちが関わらさせていただくお客様へのより良いケアに繋がっていくと私は思います。
すぎうら内科医院様、すずらん訪問看護ステーションの看護師様、
関わってくれた職員の皆さん本当にありがとうございました。
そして、お客様、ご家族様には、 グループホームゆたかの 職員たちに
貴重な経験を与えてくださりありがとうございました。
今回の記事に関して、ご家族様には同意を得て掲載させていただいております。